24 宇陀大納言小豆

宇陀大納言小豆「うだだいなごんあずき」
(マメ科)
主な産地 宇陀市大宇陀地区を中心とした東部山間地域
栽培面積(自給用に栽培、0.5ha)  

 「古事記」に初めてその名が登場する小豆は、縄文時代の遺跡からも炭化した種子が出土しており、古来より人々の生活・文化と密接に結びついていた豆として大切に栽培されてきたことが伺えます。
 あずきの名の由来は、江戸時代の学者である貝原益軒がまとめた文献「大和本草(やまとほんぞう)」によると「あ」は「赤色」、「ずき」は「溶ける」の意味があり、赤くて早く溶ける豆から「あずき」になったとされています。 
 大納言小豆として有名なものには、兵庫県と京都府で栽培される「丹波大納言」があり、その風味は最高級とされています。宇陀大納言の産地は阿騎野のかぎろいや、又兵衛桜で知られる宇陀市大宇陀地区を中心とした東部山間地域。この地で育てられた宇陀大納言小豆は、知名度こそ丹波大納言に及びませんが、風味も柔らかさも丹波大納言に勝るとも劣らない品質をもっています。     
 小豆は、今でこそ和菓子に欠かすことのできない餡の原料として利用されていますが、それは砂糖の出現以降のことで、それ以前は小豆粥のように主食として利用され、奈良では昔から小正月の1月15日には神様のしめ飾りを燃やすとんどの時に小豆粥を炊き食してきました。古来より災難や病気をもたらす厄、邪気を払うものとされてきた小豆ですが、それを実証するように、最近の栄養学によると、小豆の煮汁には緑茶と同様に抗酸化作用をもつカテキンが含まれており、加えて良質なたんぱく質と各種ビタミンB類、さらにカルシウム、カリウム、鉄、マンガンなどのミネラルも豊富にバランスよく含まれていることが証明されています。