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19 下北春まな
「しもきたはるまな」
(アブラナ科アブラナ属)
主な産地 下北山村
栽培面積(自給用に各家で栽培0.5ha、春まな漬け用に0.2ha)
下北春まなの産地は、奈良県南部に位置する下北山村。下北山村は「きなりの郷」と呼ばれ大峰山系から流れる清らかな水と山々に包まれた澄みきった空気、そして温暖な気候が特徴です。その名称からもう一つの「まな」と呼ばれる大和伝統野菜の「大和まな」を連想させられますが、下北春まなは小松菜のような濃い緑の葉の色、そして切れ込みがなく丸みかかった形状をしており、肉厚で甘味があり、親しみやすい独特の風味といった特徴をもっています。
各家で採種した種を九月の下旬から十月の上旬蒔き、収穫時期は、真冬の一月から二月にかけて。収穫後きれいに洗って塩漬けにしたものをお漬物として、またそこにご飯を包み込んだ「めはり寿司」は「泊まり山(とまりやま)」と呼ばれる泊まりがけでの山仕事の折にお弁当として持参されてきた郷土食です。隣の十津川村では主に高菜が利用され、「日本のおにぎり100選」にも選ばれています。下北山村では高菜の代わりに春まなが利用されています。めはり寿司の名の由来は、山仕事に持参されるものが拳ほどもある大きなものであったために、大きく口を開いて食べる様子が「目を見張っている」ように見えることから名付けられました。
平成20年春に大和野菜として認証されました。下北春まなは地域のお土産物として商品開発がおこなわれている数少ない大和の伝統野菜の一つ。生産農家と村商工会が中心となって開発された「春まな漬」は、特有の風味が楽しめる下北山村特産の浅漬けで、商品は村内の温泉施設に併設されている「きなり館」、または「JAショップしもきた」、「道の駅吉野路 上北山」などで扱われています。