14 大和芋

大和芋「やまといも」
ヤマノイモ科ヤマノイモ属
主な産地。 御所市、桜井市 他
栽培面積(15ha)

 ヤマノイモの仲間は里芋と共に日本では古くから栽培されてきた野菜の一つ。 
 正倉院文書によると1300年前の奈良時代には既に天皇に献上されていた野菜の一つとして記されています。原産地は中国南西部の高地にある雲南地方とされており、中国ではBC3世紀、周の時代から栽培が始まったとされています。ヤマノイモ属は世界で約600種類が存在しているとされていますが、その中で食用とされているものは約50種類といわれています。そのうち日本で利用されている代表的なものとしては日本書紀(720年)にも記述されているジネンジョ(自然薯)があげられます。野山に自生しており細長い形状と生イモをすりおろした時の粘りの強さで知られています。また広く流通している「長芋」に加えて、三重県多気町産の特産で知られている強い粘りと白い皮が特徴の「伊勢芋」。少し珍しいものとしては関東地方で栽培されている三味線のばちのような形状の「銀杏芋(イチョウイモ)」に、先端が徳利の形のように寸詰まりになる「トックリイモ」などがあります。      
 そして奈良県を代表する品種が大和いも。県内では葛城山麗地域が産地の中心となり、この地域に位置する御所市では江戸時代から栽培が行われてきた歴史があり古くから大和芋の産地として知られています。山薬との別名があるように胃腸の働きを整えるなどの薬効もそなえており、本場である御所の農家では皮をむいてすりおろし、卵と味噌汁を加えてさらに擦り混ぜて「とろろ汁」にして調理されてきました。その優れた品質から、京都の高級和菓子の原料としても利用されています。