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23 高菜
「たかな」
(アブラナ科アブラナ属 )
主な産地 十津川村
栽培面積(自給用に各家で栽培)
昭和61年に選定された「ふるさとおにぎり百選」では、地域色豊かで地域の文化に根ざしている「おにぎり」が日本全国から100種類選ばれ、奈良県からは「柿の葉寿司」、「なれずし」、「目張り寿司」の三種類がその中に挙げられています。
郷土料理として知られるようになった目張り寿司は食べやすい一口サイズが主流となっていますが、山仕事の弁当だったという本来のものは日本最大の握り飯といわれるほど大きく、口を大きく開け、目を大きく見張ってくらいついたところからその名がつけられました。そしてその目張り寿司の食材として欠かせないのが高菜です。目張り寿司のふるさとであり高菜の産地である十津川村は、日本一長い吊橋「谷瀬の吊橋」や日本で最も広い村としても知られ、奈良県の南端である紀伊半島の中央に位置しています。この村内各地で自家採種されてきた高菜は色合いも緑一色のものから赤みのかかったものまで、同じ高菜でも種を採る各家によって個性があります。
収穫された高菜は「高菜漬け」と呼ばれるお漬物となり目張り寿司へと加工されるほか、、伝統的な調理法としてお浸しや煮物としても利用されます。現在十津川村では、朝市でこの目張り寿司が特産品として販売され人気を集めています。目張り寿司という食文化と共に受け継がれてきた高菜は、保存食、郷土食、そして特産品と時代と共にその役割を変えながら継承されてきた伝統野菜です。